新しいプログラムに沿った看護師による個人指導で、癌患者のうつ状態が改善するという無作為比較試験が報告された。これは英Edinburgh大学Cancer Research Centreの研究によるもの。不安や疲労感の改善効果も確認された。成果は2008年7月5日号のLancet誌に掲載された。

 プログラムは、「Depression Care for People with cancer」と呼ばれるもので、うつやその治療に関する教育、どうすることもできないという感情を克服するための精神的な対処法などが含まれている。同プログラムに沿うことで、精神腫瘍学(サイコオンコロジー)の特別な教育を受けた経験を持たない看護師が指導に当たることができているという。

 今回の研究は、200人の癌患者で、うつ症状を示す患者を対象に行われた。患者の平均年齢は56.6歳で、女性比率が71%となっていた。患者は、通常のケアを行う群と、通常のケアに加えて同プログラムによる介入を行う群に無作為で分けられ試験が行われた。

 その結果、プログラムによる介入を受けた群では、介入を受けなかった群に比べて、うつ状態の指標であるスコアが有意に減少した。この効果は、6カ月から12カ月間の追跡期間中継続したという。加えて、不安や疲労感の改善効果も確認されたという。

 癌の診断は非常に大きな精神的ストレスであるため、うつ状態に陥る癌患者は決して少なくない。今回、無作為比較試験というエビデンスレベルの高い研究により、うつ状態の改善効果があることが確認されたことから、今後、同プログラムが広く利用されるようになることが期待される。