病院スタッフの3〜4割程度が、医療用麻薬に対して負のイメージを持っている場合もあり得ることが示唆された。これは、長野県にある飯山赤十字病院看護部の小出貴美江氏らが同病院内の医師、病棟看護師を対象に行ったアンケート調査の結果。7月4日から5日に静岡市で開催された日本緩和医療学会で発表された。

 この調査は、2007年12月に同病院に勤務する医師12人、病棟看護師125人を対象に行われた。その結果、全体の38.0%、医師の27.7%、看護師の39.4%が医療用麻薬(オピオイド)に対して負のイメージを持っていた。

 個別の設問からは、「始めると止められない」と回答した医師と看護師が約4割と、医療用麻薬に対する誤解が残っていることも明らかになった。また、「最後の段階で使用するもの」と間違った認識を持つ割合は医師がより多く、約4割となっていた。また、看護師の約2割は、「死期を早める」とも誤解していた。

 元埼玉県立がんセンター総長の武田文和氏らが、WHOのがん疼痛緩和ガイドラインをわが国に紹介してから、既に約20年が経過している。しかし、これまで医療者を対象にした医療用麻薬に関する系統だった教育は行われていなかった。そのため、適切な講習を受ける機会がなく、未だに医療用麻薬に対する負のイメージを持ち続けている医療者が少なくないことが、改めて明らかになったと言えそうだ。

 今回の発表を行った小出氏は、「患者・家族に正しく説明するためにも、医療者がきちんとした知識を持つことが第一に必要。これまで院内で有志による勉強会を行ってきているが、今後も、医師の意識改革につながるよう働きかけていきたい」と語っていた。