結腸直腸癌患者において、診断前の血中ビタミンD濃度が高い人の方が予後が良いことが、2つの疫学研究を分析した結果から示唆された。データはDana-Farber Cancer InstituteのKimmie Ng氏らが、Journal of Clinical Oncology誌6月20日号に発表した。ただし、治療の一環としてビタミンDのサプリメントを推奨することは時期尚早であるとしている。

 これまでの研究で、血液中のビタミンDの指標である25-ヒドロキシビタミンD3(以下、25(OH)D)濃度が高いほど、結腸直腸癌の発症リスクは低く、最大50%まで低下させるといわれている。Ng氏ら研究グループは、結腸直腸癌患者において、ビタミンDの生存への影響を調べるため、2つの長期疫学研究を分析した。

 対象は、Nurses' Health Study およびHealth Professionals Follow-Up Studyに参加し、1991年から2002年の間に結腸直腸癌と診断された304人。全員が診断の2年以上前に採血をし、25(OH)D濃度を測定していた。2005年までに123人が死亡、うち結腸直腸癌による死亡は96人だった。

 分析の結果、25(OH)D濃度が高い人ほど、死亡率は有意に低かった(p=0.02)。また25(OH)D濃度により患者を4群に分けたところ、25(OH)D濃度が最も高かった群は、最も低かった群に比べて、全死亡リスクが48%低いことが示された(ハザード比が0.52、95%信頼区間0.29-0.94)。結腸直腸癌による死亡リスクも低い傾向が見られた(ハザード比が0.61、95%信頼区間0.31-1.19)。

 研究グループは、今後、発癌や癌の進行におけるビタミンDの経路や影響について研究が必要であるとし、さらに将来的には結腸直腸癌患者において、ビタミンDサプリメントの役割を調べる試験を行うべきだろうとした。