スイスNovartis社は、2008年6月13日、国際的な大規模無作為化フェーズ3試験TOPSで、新規診断慢性骨髄性白血病患者にイマチニブ800mg/日を当初から適用すると、標準用量である400mg/日投与群に比べ、臨床的な目標の達成が有意に早いことが明らかになったと発表した。

 治療歴のない患者に標準治療の2倍となる800mgを投与した場合の利益を調べた初めてのフェーズ3試験は、オープンラベルで行われた。19カ国103医療機関で、新たにフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病と診断され治療歴のない患者476人を登録、2:1で800mg/日と400mg/日に割り付けた。

 主要エンドポイントは12カ月の時点で分子遺伝学的寛解(MMR:Major Molecular Response、PCRで測定されたbcr-abl遺伝子レベルを指標とした効果判定基準。初診時のbcr-abl遺伝子レベルの中央値を基準とし、その1/1000(3log)以下に低下した場合にMMR達成と判定)を達成した患者の割合に設定された。MMR達成者は800mg群46.4%、400mg群40.1%で、差は有意でなかった。

 Sokalスコアに基づく進行リスクの程度により患者を層別化し、サブグループ解析を行ったところ、MMR達成率の差がより大きかったのは、進行リスクが高い患者で、800mg群41.1%、400mg群26.2%だった。

 さらに800mg群では割り付けからMMR達成までの時間が有意に短かった。

 また、1カ月時の血中イマチニブ濃度が低い患者は、MMR達成率が低かった。これは、血中濃度を適切に維持すれば、臨床反応が向上する可能性を示した。

 TOPS試験の二次エンドポイントは、12カ月時の細胞遺伝学的完全寛解(CCyR、フィラデルフィア染色体陽性細胞が認められない)達成率に設定された。800mg群は、400mg群に比べ、より速やかにCCyRを達成していた。6カ月時の達成率は56.7%と44.6%(P=0.0146で有意差有り)、12カ月時には69.9%と65.6%(P=0.3470で差は有意でなくなった)。

 有害事象はこれまでの試験で見られたものと同様だった。有害事象による脱落率は800mg群5.6%、400mg群1.3%。800mg群で有害事象の発生頻度は高かった。

 以上のデータは6月14日に欧州血液学会で報告された。なお、早期にMMRを達成することが長期的な利益に結びつくかどうかは、今後評価する必要がある。