乳癌治療薬として用いられているアロマターゼ阻害剤(AI)は、その副作用として関節痛を生じることが知られている。AIは関節の腱滑膜(腱とそれを包む膜)に変化を生じ、その変化が関節痛につながる可能性が示された。これはベルギーLeuven kanker Instituutなどの研究グループによるもので、結果は2008年5月12日号のJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。

 この研究は、閉経後の乳癌患者17人を前向きに追跡調査したもの。17人のうち5人がタモキシフェン投与を受け、残りの12人がAIの投与を受けた。

 その結果、投薬開始6カ月後の調査により、AI投与を受けた患者群では握力が有意に減少し、腱滑膜に変化が生じていることが確認された。一方、タモキシフェン投与群では有意な変化は生じなかった。また、朝に手のこわばりを訴えたAI群の患者においては、MRI検査による関節内の液体が増えていることも確認された。