前立腺特異抗原(PSA)を用いた前立腺癌検診の普及により、前立腺癌による死亡率が減少するという論文が発表された。これまでPSA検診と死亡率に関する研究成果がなかったことから、PSA検診の有用性を巡って国内外で議論が高まっていた。この論文は、これまでの議論に終止符を打つための有力な論拠となりそうだ。

 今回発表されたのは、オーストリアにおけるPSA検診の普及と死亡率を解析したもの。成果はBJU International誌の6月号に掲載された。

 オーストリアでは、チロル州のみが1993年より45歳から75歳の男性を対象にPSA検診を無料で提供している。これまでに、同州の住民の約87%が最低でも1回のPSA検診を受けている。チロル州の前立腺癌による死亡率減少効果は毎年7.3%であり、無料検診開始前と比較すると54%もの減少を示した。

 一方、チロル州以外の地域でも前立腺癌による死亡率は、年々減少傾向を示しており、その減少は毎年3.2%となっている。また、同じ時期の減少率は29%となっていた。

 すなわち、PSA検診の普及により、約2倍の死亡率減少効果が示されたことになる。