進行した直腸癌の骨盤内再発に伴う疼痛に対し、肝癌の治療法として一般的なラジオ波熱凝固療法が有効な可能性があることが分かった。四天王寺病院放射線科・IVR科の穴井洋氏が、第94回日本消化器病学会総会で発表した。

 対象は、疼痛のアセスメントスケールであるVASスコアで、0から10の間で5以上という強い疼痛を訴える直腸癌局所再発患者7人(男性6人、女性1人、平均年齢70歳)。VASスコアの術前平均値は8.01だったが、治療の翌日には平均3.71に、1週間後には平均2.00と有意に改善した(いずれもp<0.05)。全員が術中の熱感を訴えたが、その他の合併症は、一過性の尿閉が1人に認められただけだった。疼痛の再発が見られた患者はいなかった。

 ラジオ波熱凝固による疼痛緩和の機序としては、腫瘍の縮小によって生じる減圧効果や、神経の凝固壊死による疼痛の麻痺、組織温度の上昇に伴うサイトカインの関与などが考えられている。穴井氏は、「症例によっては抗腫瘍効果が得られる可能性もあり、現在臨床試験による検証を進めている。ただし、尿道熱傷によると思われる尿閉がみられたことから、周囲臓器の熱損傷には十分注意する必要がある」と指摘した。