ゲムシタビン膵癌術後補助療法として投与すると生存期間の延長を期待できることが、実際の臨床例でも確認された。これは国立病院機構災害医療センター第二病棟部長の伊藤豊氏が、2001年5月以降にゲムシタビンを投与した患者30人のデータと2001年以前に切除のみを受けた患者の歴史的なデータを比較したもの。成果は5月8日から10日に福岡市で開催された日本消化器病学会で発表された。

 術後補助療法は切除後6週から10週目から開始され、病院の外来化学療法室で週1回ゲムシタビン800mg/m2を30分で投与された。ゲムシタビンの投与は3週投与し2週休薬を1クールとして、原則6クール投与した。受けた患者の平均年齢は62.9歳、男性15人、女性15人で、進行度は2期が2人、3期が8人、4a期が15人、4b期が5人、局所癌遺残度はR0が22人で、R1が8人だった。

 術後補助療法は血液毒性、非血液毒性ともにグレード2までにとどまり、安全に投与が行われた。

 継続拒否の意思を表明したため補助療法が中止されたのは2人、投与中再発確認のため中止されたのが6人で、有害事象による中止はなかった。6クールを完遂したのは22人(73%)で、完遂例は平均7.2クール実施され、最も多い患者は12クールの投与を受けた。

 その結果、歴史的なデータ(84人)でゲムシタビン非投与群の全生存期間中央値が14.3カ月だったのに対して、今回補助療法を受けた患者の中央値は18.3カ月だった。無病再発生存期間中央値も非投与群が4.8カ月だったのに対して8.7カ月だった。

 2年生存率は、非投与群が26.4%だったのに対して補助療法実施群では40%と改善が認められた。3年生存率も非投与群が17.9%だったのに対して補助療法実施群では31.9%と改善が認められた。1年生存率も同様に改善していた。また、補助療法実施群では無再発で5年生存している患者もいた。