切除不能で肝門部の悪性胆道狭窄を伴う胆道癌に対しても、メタリックステント(MS)挿入により化学療法が施行可能で、生存期間の延長に寄与することがレトロスペクティブな解析の結果、明らかになった。このような胆道癌の場合、ステントを入れないと合併症のために化学療法を行うことができない。また、化学療法の有効例ではMSの開存期間が延長される可能性が示された。成果は5月8日から10日に福岡市で開催された日本消化器病学会で岡山大学大学院消化器・肝臓・感染症内科学の河本博文氏によって発表された。

 研究グループは、切除不能で肝門部の悪性胆道狭窄を伴った胆道癌患者78人を対象に解析を行った。胆管癌患者が60人(77%)、胆嚢癌患者が18人(23%)で、うち男性が44人を占め、平均観察期間は267日だった。全員にMSによるマルチステンティングを行い、その後全身化学療法を受けた患者41人、放射線療法(対外照射+高線量率腔内照射)を受けた患者7人、支持療法を受けた患者が30人となっている。

 全身化学療法は、ゲムシタビン1000mg/m2を3週投与して1週休薬のレジメンで受けた患者が33人、S-1の80mgから100mgを2週連続して内服し1週間休薬するレジメンで受けた患者が8人だった。放射線療法は経皮経肝的胆管ドレナージ後、体外照射40Gy、高線量率腔内照射4Gyを3回行った。

 化学療法の効果は部分奏効(PR)が6人(15%)、安定状態(SD)が12人(29%)だった。

 化学療法群、放射線療法群、支持療法群で年齢など患者背景因子が一部異なっていたため、Coxの比例ハザード法による多変量解析を行った結果、化学療法が独立した因子であることが明らかとなった(リスク比0.383、95%信頼区間0.220-0.668 P<0.001)。生存期間も支持療法群が164日、放射線療法群が184日だったのに対して、化学療法群は408日と支持療法群に比べて有意に延長していた。

 ステントの開存期間は、化学療法で疾患制御ができた群は499日、放射線療法群は144日、支持療法群は156日、化学療法で病状が進行した群は149日だった。