国立がんセンター中央病院の山田康秀氏は、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が行った進行胃癌に対する大規模臨床試験のサンプルを集め、薬物代謝関連酵素など約10個の遺伝子の発現と治療効果の関係を調べる研究に着手していることを明らかにした。5月8日から10日に福岡市で開催されている日本消化器病学会のワークショップ「消化管腫瘍の分子生物学的診断と治療」の中で公表したもの。

 遺伝子発現と治療効果の関係が明確になれば、標準治療に対して遺伝子で区別した群を置いて評価するフェーズ3臨床試験を行いたいとしている。進行胃癌の個別化医療につながる可能性がある。

 山田氏らが解析に利用するのは、JCOG9912試験で採取された試料だ。JCOG9912試験は、5-FU投与群、イリノテカンシスプラチン併用投与群、S-1投与群の3群に分けた試験で、S-1投与群が5-FU投与群に対して有意に非劣性であることが示され、またイリノテカン・シスプラチン併用投与群が5-FU投与群に比べて生存期間に関して統計学的に有意な優越性を示すことができなかった試験だ。各試料でERCC1、TS、DPD、TOPO1、MTHFR、VEGFなどの遺伝子発現を調べる計画だ。