大腸内視鏡検査で腺腫が見つかった場合、大腸癌病変と同時に見つかった腺腫は、腺腫のみが見つかった場合と比べ、明らかに異時性大腸癌の危険性が高いことが分かった。国民健康保険三戸中央病院内科の木村聖路氏が、第94回日本消化器病学会総会で発表した。

 大腸癌患者群では、内視鏡検査後に切除された大腸癌と同時に見つかった大腸腺腫117人198病変を、非大腸癌患者群では、内視鏡的に切除された通常の大腸腺腫566人927病変を解析の対象とした。それぞれの病変について、分布や病変の大きさ、形態や組織型、悪性度などを比較検討した。

 その結果、大腸癌患者群と非大腸癌患者群で大きく異なっていたのは、腺腫の大きさと、悪性度の2点だった。腺腫の大きさは、大腸癌患者群では直径10mm以上が22.2%を占め、6〜9mmが24.2%、5mm以下のものは53.6%だったのに対し、非大腸癌患者群では、直径10mm以上は13.3%にとどまり、6〜9mmが23.5%、5mm以下のものが63.2%と多く、明らかな差があった(p<0.005)。

 組織の悪性度についても、悪性の強いものが大腸癌患者群では13.1%を占めたのに対し、非大腸癌患者群では、7.5%とそのほぼ半分にとどまった(p<0.001)。良性のものは、大腸癌患者群で19.7%だったのに対し、非大腸癌患者群では32.3%だった(p<0.001)。

 木村氏は、「今回の検討で、両群の年齢の差や性差は特に結果に影響していなかった。大腸癌患者はハイリスクな状態にあると言える。大腸癌と同時に見つかった腺腫は、悪性腫瘍へと進展する可能性が高いと考えられ、大腸癌の切除と合わせて必ず切除しておくべきだ」とまとめた。