根治切除不能もしくは転移性腎細胞癌の新規治療薬であるソラフェニブ(商品名「ネクサバール」)がDPC(診断群分類)に基づく医療費の包括定額払い制度の対象外となり、投与量に応じた出来高算定が行われることとなった。これは4月23日に開催された厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)で取り決められた。

 包括定額払い制度とは、病気ごとに医療報酬(医療費)が決まる制度だ。厚生労働省の指導の下、同制度を導入している病院(DPC対象病院)は増加してきている。同制度において、患者は決まった額以上の医療費を負担しなくて済むという経済的メリットがある。その反面、高額な薬剤が必要な場合でも病院側が経済的なデメリットを嫌い、高額な薬剤を利用しない危険性がある。そのため、同制度では、包括算定の対象となる診療と、出来高払い算定の対象となる診療を区別している。また、新規に保険収載された高額な医薬品に関しては、包括算定とするか出来高払い算定とするかは、厚生労働省が評価することとなっている。

 今回、中医協が、ソラフェニブを投与額に応じた出来高払い算定の対象としたことで、病院側はソラフェニブの投与を行いやすくなるといえる。ただし、薬剤費分の医療費は、投与量に比例して患者側が負担することとなるため、患者側からすると、新薬の投与が受けられる反面、診療費が高くなる。そのため、同剤の投与を受ける場合は、高額療養費制度などを活用し、薬剤費の負担額の軽減が重要だ。高額療養費制度とは、医療費が高額になった場合に患者の所得に応じて1カ月当たりの自己負担限度額が決められており、限度を超える部分が払い戻される。