キリンファーマがわが国での権利を確保している血管新生阻害剤AV-951の、フェーズ1試験の最新データが発表された。4月12日から16日に開催された米国癌研究会議(AACR)でオランダEramus大学Medical CenterのF.A.L.M. Eskens氏によって発表されたもの。患者は十分に投与に耐えることができ、特に腎細胞癌患者で抗腫瘍効果が確認された。Eskens氏によると「フェーズ1試験のほぼ最終結果だという」。

 AV-951はもともとキリンが開発した化合物だが、2007年にアジア以外の権利が米AVEO Pharmaceuticals社に供与された。AV-951は血管内皮成長因子受容体の1から3のリン酸化、c-kitのリン酸化、血小板由来成長因子受容体のリン酸化を阻害することで血管新生を抑制する。

 フェーズ1試験は、1日1回経口投与を28日間行って、2週間休薬するという方式で行われた。投与量によって1.0mg群、1.5mg群、2.0mg群の3群に分けられた。患者は全部で41人(平均年齢56歳、男性が27人)、大腸癌患者が10人、腎癌患者が9人、膵癌患者が6人、肺癌患者が3人、その他が13人だった。手術を受けた経験のある患者が40人、化学療法を受けたことのある患者が32人いた。

 腫瘍縮小効果は41人のうち33%の患者で認められた。特に腎細胞癌患者9人全員で臨床効果が認められ、2人が部分奏効(PR)、7人が安定状態(SD)となった。SDの7人中6人はその状態が3カ月以上継続した。

 2.0mg投与群ではグレード3の蛋白尿、グレード3の運動失調、グレード4の脳内出血が用量制限毒性としてそれぞれ1人ずつに認められた。1.5mg投与群では用量制限毒性として、グレード3の高血圧が2人、グレード3のトランスアミナーゼ上昇が1人、グレード4のトランスアミナーゼ上昇が1人、グレード3の呼吸困難と倦怠感が1人で認められた。最大耐容量は1日あたり1.5mgとなった。