マルチキナーゼ阻害剤で腎細胞癌治療薬のソラフェニブ(商品名「ネクサバール」)が4月18日、発売された。同日薬価収載されたため、ソラフェニブは日本で初めて根治切除不能または転移性の腎細胞癌を適応症として発売された経口分子標的薬となった。また、同時に同剤による治療情報をまとめたネクサバール総合情報サイトも開設された。

 ソラフェニブは、既に海外では70カ国以上で承認されている経口投与可能な分子標的薬だ。腫瘍細胞の増殖と、腫瘍血管の新生を阻害する2つの作用を持ち、高い効果が期待される。ただし、既存の抗癌剤と比べ、異なった種類の副作用が出ることが知られており、使用には十分な注意が必要だ。そのため、ソラフェニブには、適正使用推進と安全対策のため、癌化学療法に精通し、副作用への緊急対応が可能な医療機関でのみ処方され、発売初期の一定期間、全例調査を行うことが義務付けられている。

 ソラフェニブの薬価は200mg錠1錠あたり5426.20円。1日400mgを2回服用するため、1日あたりの薬価は2万1704.80円となる。すなわち、1年間投与を継続した場合の薬剤費は約800万円となり、3割負担で240万円と高額だ。同剤を投与する場合は、高額療養費制度などを活用して患者の経済的負担を軽減する配慮も必要になるだろう。高額療養費制度とは、医療費が高額になった場合に患者の所得に応じて1カ月当たりの自己負担限度額が決められており、これを超える部分が払い戻される制度だ。

 また、ネクサバール総合情報サイトには、医療者のみならず、誰でもアクセス可能な患者向けサイトもある。患者向けサイトには、腎細胞癌治療の基本からネクサバールの作用、また、起こりやすい副作用などについての情報が掲載されている。また、服用時に生じる可能性がある“飲み忘れ”や、食事の注意点などについても分かりやすく記載されている。

 一方、医療関係者向けサイトでは、ネクサバールの製品基本情報、これまでの主要な臨床試験の概要、適正利用のためのガイド、患者指導用資材なども掲載されている。