再発リスクが高い早期乳癌の術後薬物療法で、AC療法後に週1回のパクリタキセル静注を追加する方法が、従来よりも再発リスクを抑え、生存期間を延長する効果があることが示された。これは、米国Eastern Cooperative Oncology Groupらによる臨床試験の結果で、成果は4月17日号のNew England Journal of Medicine誌に掲載された。

 この研究は、リンパ節転移陽性、もしくはリンパ節転移陰性で再発リスクの高い早期乳癌患者4950人を対象に、AC療法(ドキソルビシン、シクロホスファミド)後のタキサン系抗癌剤(パクリタキセル:商品名「タキソール」、ドセタキセル:商品名「タキソテール」)の追加方法を比較したもの。3週ごとにパクリタキセルを追加する群(これが従来のスタンダード)のほか、週1回パクリタキセル追加群、週1回ドセタキセル追加群、3週ごとのドセタキセル追加群に無作為割り付けして、無再発生存率と全生存率を比較した。3週ごとに追加する群は4サイクル、週1回追加群は12サイクルの治療を行った。

 その結果、無再発生存率をスタンダードと比較すると、パクリタキセル週1回追加群のオッズ比は1.27(98.3%信頼区間1.03-1.57)、3週ごとのドセタキセル追加群が1.23(同1.00-1.52)、週1回ドセタキセル追加群が1.09(同0.89-1.34)となっていた。

 また全生存率を見ると、週1回パクリタキセル追加群のみがオッズ比1.32(98.3%信頼区間1.02-1.72)で、スタンダードに比べて有意な改善効果が示された。

 これらの結果から研究グループは、再発リスクの高い早期乳癌においては、術後薬物療法としてAC療法後に週1回のパクリタキセルを追加することが推奨されると結論している。

 ただし今回のデータでは、週1回のパクリタキセル追加による副作用の発生比率が他の投与法に比べて高い点には注意を要する。グレード2以上の副作用発生頻度は週1回パクリタキセル投与群で27%、3週ごとのパクリタキセル投与群で20%、3週ごとのドセタキセル投与群で16%、週1回ドセタキセル投与群で16%であった。

 日本乳癌学会による乳癌診療ガイドラインにおいても、リンパ節転移陽性の早期乳癌に対する術後療法としては、AC療法後に、タキサン系抗癌剤を追加することが推奨されている。ただし、パクリタキセルとドセタキセルの2種類あるタキサン系抗癌剤のどちらを、どのような間隔で投与するのが最良かというデータは、これまで報告されていなかった。