ラパチニブ(海外での商品名「Tykerb」)が進行肝細胞癌の治療薬になる可能性が示された。フェーズ2臨床試験の結果明らかとなったもの。成果は4月12日から16日にサンディエゴで開催されている米国癌研究会議(AACR)で米オハイオ州立大学のJoseph Markowitz氏によって発表された。Markowitz氏は、「患者はラパチニブの投与に十分に耐えることができ、肝細胞癌においてラパチニブが抗腫瘍活性を持つかもしれない」と語った。一方、試験の主任研究者であるTanios Bekkaii-Saab氏は「この癌の根底にある分子機構を解明するために更なる研究が必要だ」と語った。

 ラパチニブは、上皮細胞成長因子受容体のErbB1とErbB2(HER2)を可逆的に阻害する低分子化合物。

 フェーズ2臨床試験は26人の肝細胞癌患者を対象に実施された。患者は28日を1サイクルとして、連日1500mgのラパチニブの経口投与を受けた。投与サイクル数の中央値は2(1-12)回で、研究グループは、8週間置きに放射線学的な評価を行った。

 試験の全参加者のうちの20%はラパチニブの前に別の治療を受けていたが、奏効例はなかった。しかし、ラパチニブを受けた患者の31%(8人)が安定状態(SD)となり、8%(2人)の患者は安定状態が6カ月以上続いた。無増悪生存期間の平均は89日だった。

 一方、多く見られた副作用は下痢(69%)、吐き気(54%)だった。3人の患者が重度の副作用を発現したが、下痢、皮疹、急性腎障害だった。循環器機能障害は見られなかった。