新しい抗癌剤候補であるGDC-0449が、進行基底細胞癌患者の腫瘍を縮小させ、副作用も限定されている可能性が明らかとなった。成果は4月12日から16日にサンディエゴで開催されている米国癌研究会議(AACR)で米Scottsdale Clinical Research InstituteのDaniel D. Von Hoff氏によって発表された。この化合物のフェーズ1臨床試験の結果が示されたのは今回が初めて。

 GDC-0449はヘッジホッグ経路を阻害することで効果を発揮する薬剤。ヘッジホッグ経路の因子は組織の成長、修復で重要な働きをすることが明らかとなっている。ヘッジホッグ経路は細胞表面にある受容体のPTCHとSMOを介して情報伝達を行う。多くの基底細胞癌で、PTCHとSMOに突然変異によるヘッジホッグ経路の異常な活性化が起きているという。

 フェーズ1臨床試験は9人の進行基底細胞癌患者を対象に行われた。患者は1日1回GDC-0449を経口で投与された。150mg投与群、270mg投与群、540mg投与群の3群に1人ずつ登録し、最初の患者で活性が見られたことから150mg投与群に6人を追加登録した。35日間を1サイクルとして、28日間連続してGDC-0449が投与された。患者は以前に9人が手術を受け、4人が放射線治療を受け、3人が化学療法を受けていた。

 試験の結果、X線や他の身体的な検査から評価された8人の患者で長期間の臨床的有益性が確認された。そして、その有益性の持続期間中央値は176日だった。試験で最初に治療を受けた患者は臨床的な効果は438日間続いた。

 9人の患者のうちCTスキャンによる測定で2人の患者で腫瘍の縮小が認められた。4人の患者で身体的な検査から腫瘍の縮小または改善が認められた。2人の患者では腫瘍が増殖しない期間の延長が認められ、1人の患者では進行した。被験者の皮膚からヘッジホッグ経路の活性のマーカーであるGL11の状態を調べたところ、今までに調べたすべての患者でGL11の減少が認められた。

 一方、副作用は程度が低く、味覚の消失が見られた患者や少量の脱毛や体重減少が認められた程度だった。