わが国では、20歳代の子宮頸癌の発症数急増が問題となっている。そのため、20歳からの子宮頸癌検診が推奨されている。しかし現状では、20歳代の女性の検診受診率は低く、特に学生のほとんどが受診していないことが明らかになった。これは、金沢大学の笹川寿之氏らの調査によるもの。成果は、4月12日〜15日に横浜市で開催された日本産科婦人科学会学術講演会で発表された。

 笹川氏らは、2005年に金沢市およびその近郊に住む18歳〜67歳の女性を対象に、アンケート調査を行い、3155人の回答を得た。その結果、3年以内に子宮頸癌検診を受診していた女性は、20歳〜24歳では11%、25歳〜29歳では23%と低く、30歳を過ぎると受診率が徐々に向上し、30歳〜34歳で44%、35歳〜39歳で62%と増加し、60歳以降に減少することを確認した。

 受診の動機としては、市町村の案内が28%、職場の案内が26%、産婦人科医で勧められたが33%となっていた。また、他の癌検診と一緒に受けている女性も多かったという。

 職業別の検診受診率は、自営業、主婦、公務員などが5割以上の受診率であった一方で、学生は3.1%、看護師は34.2%と低い受診率となっていた。学生の受診率が低い点に関して笹川氏は、「学校教育の中で子宮頸癌検診について教育していく必要がある」と問題提起した。

 また、子宮頸癌に関する知識として、子宮頸癌は治る、放射線治療が有効と理解している女性がアンケート回答者の85%に達していたが、子宮頸癌の原因やリスク因子に関する正しい知識を持っている女性は17%に留まっていたという。そのため、笹川氏は、子宮頸癌の原因や予防法、検診の意義について、正しい情報を提供する必要があると語った。