固形癌患者を対象にわが国で行われた、新規ビンカアルカロイド系微小管重合阻害剤vinflunine(VFL)のフェーズ1臨床試験で、有望な結果が得られたことが明らかとなった。安全性プロファイルは受け入れられるもので、一部の患者で抗腫瘍効果が確認された。この結果は4月12日から16日にサンディエゴで開催されている米国癌研究会議(AACR)で、神戸大学大学院医学系研究科内科学講座腫瘍内科特命准教授の向原徹氏が発表した。

 VFLはフランスPierre Fabre Medicament社が開発した化合物。特定の分野で米Bristol-Myers Squibb社と共同開発が行われて時期もあったが、現在、権利はPierre社に返還されている。

 フェーズ1臨床試験は、標準治療がうまくいかなかった固形癌患者(最大で2種類の前治療経験者)や標準治療が存在しない癌患者を対象に、VFLを3週おきに静脈内投与して行われた。試験開始用量は200mg/m2とし、少なくとも各用量に3人の患者を割り付けた。18人の患者が試験に参加し、200mg/m2が6人、250mg/m2が3人、280mg/m2が3人、320mg/m2が6人となった。320mg/m2が海外での推奨用量とされているため、それ以上の用量は設定されなかった。癌の種類は非小細胞肺癌が4人、膵臓癌が3人、頭頸部癌が2人、中皮腫が2人、その他が7人だった。被験者の年齢中央値は60.5歳(47-64)、投与サイクル中央値は3.0(1-9)だった。

 試験の結果2人の患者が用量制限毒性を発現した。1人は200mg/m2投与群でグレード3の発熱性好中球減少症で、もう1人は320mg/m2でグレード4の便秘、グレード4の7連続7日間の好中球減少だった。よく見られた薬剤に関連した副作用は、白血球減少症(94%)、好中球減少症(89%)、貧血(83%)、注射部位反応(78%)、倦怠感(67%)、食欲不振(67%)吐き気(56%)、便秘(44%)などだ。副作用による減量は18人中6人で行われた。VFLの日本人における最大耐量は320mg/m2となり、将来の臨床試験の推奨用量は320mg/m2となった。薬物動態は白色人種で見られたものと同様だった。

 抗腫瘍効果は固形癌の効果判定基準(RECIST)で評価された。その結果、200mg/m2を投与された頭頸部癌患者で部分奏効(PR)が得られ、9サイクルの治療が行われた。また、8人の患者で安定状態が得られた。長期間SDだった症例も含まれていた。