米国では、早期乳癌患者を対象としたセンチネルリンパ節生検が広く普及していることが明らかになった。これは米国Emory Universityなどの研究グループが行った調査の結果で、2008年4月2日号のJournal of the National Cancer Institute誌に掲載された。

 センチネルリンパ節生検は乳癌のリンパ節転移を確認するための検査だ。今回の調査は、1998年〜2005年に早期乳癌(T1a、T1b、T1c、T2N0)と診断され、全米の癌データベースに登録された患者49万899人を対象に行われた。その結果、1998年の時点でセンチネルリンパ節生検を受けた患者の割合は26.8%のみであったが、2005年には65.5%に増えていたことが明らかになった。米国では、90年代後半からセンチネルリンパ節生検が急速に普及した様子がうかがえる。

 ただし、高齢者(72歳以上は51歳以下に対するオッズ比が0.80)、アフリカ系米国人(白人に対して0.76)、健康保険の未加入者(加入者に対して0.77)、低所得者用の連邦政府の保険であるメディケード(個人医療保険の加入者に対して0.81)など、社会経済的な状況がセンチネルリンパ節生検の実施率に影響を与えていることも明らかになった。

 センチネルリンパ節生検を実施する医療機関は、わが国でも急速に増えている。ただし昨年に厚生労働省が、当面、センチネルリンパ節生検は先進医療の枠組み内で実施すべきとの姿勢を示したため、保険診療と併用できるのは先進医療の届出が認められた施設に限られるのが実情だ。米国で早期乳癌患者に標準的に実施されているデータが出たことから、わが国でもセンチネルリンパ節生検の保険収載を求める動きが加速するものと予想される。