多発性骨髄腫治療薬のベルケイドの副作用発生率は、適正に利用されれば、当初予想されていたほど高くない可能性が示唆された。これは、ベルケイドの販売会社であるヤンセンファーマ社長の関口康氏が、4月2日に開催したプレスセミナーで公表したもの。

 セミナーの席上で関口氏は、「ベルケイド投与に関連する急性肺炎の発生率は、3.6%であることが確認された」と語った。これは、ベルケイド販売後に行った使用成績調査における中間解析の結果だ。中間解析は、約200人の患者で行われたという。

 ベルケイドは、国内で承認される以前、個人輸入して利用した複数の患者で重篤な肺障害を生じた経緯を持つ。市販開始前の予想では、ベルケイド投与による肺障害の発生率は6.8%以上と推定されていた。今回、関口氏が語った3.6%という数字は、当初予定の発生率よりも大幅に低い。

 また、同じ中間解析では、重症化しやすい肺障害であるびまん性肺胞傷害型を示した患者が1人報告された。ただし、早期に医療者が適正な治療を開始したことにより、この患者の症状は回復したという。

 ベルケイドの使用成績調査は、500人の患者を対象として、投与後3年間の経過を追跡する予定となっている。そのため、ベルケイドの安全性に関する最終的なデータが示されるまでには、まだ時間が必要だ。

 しかし今回の結果から、ベルケイドの副作用発生率はほかの抗癌剤に比べて飛び抜けて高いわけではなく、適正に利用されれば、重篤な副作用にも対処し得ることが示唆されたといえる。