今年1月末に欧州連合(EU)で世界で初めて大腸癌に利用が可能となったXELOX療法(カペシタビン+オキサリプラチンの併用)とベバシズマブ(商品名「アバスチン」)との併用療法が、急速に浸透していることが明らかになった。4月4日にチェコのプラハで開催されたスイスHoffmann-La Roche社主催のプレスカンファレンス「Setting New Standards Of Care For Patients With Colorectal Cancer」の個別インタビューで、Roche社のベバシズマブ国際メディカルリーダーのNiko Andre氏が明らかにしたもの。同氏は、「使用する患者は急速に伸び、全体の10%から15%になっている」と語った。

 XELOX療法は経口5-FU系抗癌剤のカペシタビンを利用しているため、静注投与5-FUを使用するFOLFOX療法に比べて患者の負担が少なくて済むのが大きな特徴だ。カペシタビンは日本ロシュ(現中外製薬)の鎌倉研究所が開発した製品。

 英国Glasgow大学教授のJim Cassidy氏はプレスカンファレンスで、まずXELOX療法の生存に対する効果がFOLFOX療法と同等であることを示した。そして、6週間の治療で患者が要する時間がXELOX療法であれば4時間で済むのに対して、FOLFOX4療法、FOLFOX6療法ともに147時間必要であることを指摘した。病院を訪れる回数もFOLFOX4療法だと22.5回、FOLFOX4療法とベバシズマブの併用療法だと27回なのに対して、XELOX療法だと7回、XELOX療法とベバシズマブの併用療法だと17.5回で済むことも示した。

 そしてXELOX療法は患者が貴重な時間を多く得られることから、「XELOX療法が受けられる患者がなぜFOLFOX療法を受けなければならないのか」と語った。個別インタビューでは「オキサリプラチンが合わない患者がまれに存在するが、XELOX療法とベバシズマブの併用療法が欧州では標準的な治療となった」と大腸癌治療に大きな変革が起きたことを語った。

 わが国ではXELOX療法とベバシズマブ併用療法の申請が行われたばかりだ。早期の承認が期待される。