複数の遺伝子情報を活用することで、早期乳癌の再発リスク予測がより正確に行える可能性が示された。これは米Duke大学の研究者らの研究で、4月2日号のJAMA誌に掲載された。

 既に米国では、乳癌術後の再発リスクを、コンピューターによるシミュレーション「Adjuvant!Online」を用いて予測することが一般化している。「Adjuvant!Online」によるシミュレーション計算は、しこりの大きさや発症時の年齢、ホルモン感受性の有無などの情報を元に推計されている。

 今回の成果は、573人の早期乳癌患者の遺伝子発現情報を用いて、乳癌の再発リスクに関連する遺伝子群を解析し、その情報を「Adjuvant!Online」に加えることで、再発予測の精度を高めようというもの。今後、さらなる検討が必要だが、新しい方向性を示すものとして注目されそうだ。

 京都大学医学部附属病院乳腺外科教授の戸井雅和氏は、「『Adjuvant!Online』は、まだ初期的なシミュレーション。将棋ソフトに例えればアマチュアの段階。今回の成果が加わることで、精度が一段階高まる可能性がある」と解説する。

 戸井氏らも、今回の研究とは異なる視点から、日本人を対象に「Adjuvant!Online」の改良版開発を行っているという。日本人のデータを元に、より精度の高い再発リスク予測が可能になれば、個々の乳癌患者に適した、過不足のない術後薬物療法が選択できるようになると期待される。