大腸癌の切除可能肝転移例において、FOLFOX4の術前・術後の投与は、手術単独に比べて、3年無増悪生存率に有意な改善をもたらすことが、The Lancet 3月22日号に報告された。EORTC 40983(EPOC)試験で明らかになった結果で、この概要は、2007年の米国臨床腫瘍学会で発表されている。

 試験は大腸癌肝転移のある364人を対象に、術前、術後にFOLFOX4を6サイクルずつ投与する周術期化学療法群(182人)と手術単独群(182人)の2群に無作為に割り付けた。年齢の中央値はそれぞれ62歳、64歳、2007年3月までの追跡期間は中央値で3.9年だった。

 術前化学療法による抗腫瘍効果(RECIST)はCRが3%、PRが40%、SDが38%、PDが7%で、腫瘍径は試験前に比べて25.6%の縮小が認められた。

 主要解析であるintention to treat解析の結果、全患者の3年無増悪生存率は周術期化学療法群のほうが7.3%高かったが、ハザード比は 0.79(p=0.058)と有意ではなく、周術期化学療法による改善効果は示されなかった。

 しかし周術期化学療法群のうち実際に周術期投与を受けた「適格例」(171人)および手術群のうち手術適応と判断された「適格例」(171人)に限ると、ハザード比は0.77(p=0.041)となった。また病勢の進行などで腫瘍の切除ができなかった例を除外した「切除例」では、周術期化学療法群(151人)の手術群(152人)に対するハザード比は0.73(p=0.025)と有意だった。

 術後合併症は周術期化学療法群で25%(手術を行った159人中40人)、手術群では16%(同170人中27人)だった (p=0.04) が、手術関連死は両群とも1%未満であり、「多施設で行われた肝手術としては極めて少ない」と研究グループはいう。

 これらの結果から、「FOLFOX4による周術期化学療法は、適格例および切除例では無増悪生存を改善する」と結論づけている。しかし、この試験の主要目的は、無増悪生存率のハザード比が0.71以下としており、周術期化学療法による主要目的には達していないことになる。周術期FOLFOX4投与の効果を生かすには、さらに適格例あるいは切除例の選別が重要になってくるのだろう。