米Cell Therapeutics社(CTI社)は、2008年3月17日、治療歴の無い非ホジキンリンパ腫NHL)患者に第一選択薬としてフルダラビン+ミトキサントロンを投与し、部分寛解以上になった患者に引き続いて放射線免疫治療薬「ゼヴァリン」(イットリウム-90ラベルしたイブリツモマブチウキセタン)を適用したところ、完全寛解率96%を達成できたと発表した。

 フェーズII試験の結果の詳細は、イタリアBologna大学の研究者たちによって、Lancet誌電子版に2008年3月13日に報告された。

 この試験の目的は、治療歴のない濾胞性NHLに対して、リツキシマブを含まない化学療法を適用、その後の地固めに「ゼヴァリン」を用いる治療の忍容性と有効性を評価することにあった。

 シングルアームオープンラベルの前向き多施設試験は、イタリア国内13カ所で行われた。主要エンドポイントは完全寛解と血液学的毒性、2次エンドポイントは全生存率と無進行生存率に設定された。

 計61人の進行した(ステージIII-IV)濾胞性NHL患者に、フルダラビン+ミトキサントロンを用いた化学療法を6サイクル実施。この時点の患者の全奏効率は98%(61人中60人、43人が完全寛解、17人が部分寛解)だった。奏効者60人のうち、終了から4-6週後の血小板数と顆粒球数が正常で、骨髄浸潤が25%未満だった57人(完全寛解の43人と部分寛解の14人)を地固め療法の対象にした。

 化学療法終了から6-10週時に1コースの「ゼヴァリン」治療を実施。まず、リツキシマブを1日目と7-9日目に投与。2回目のリツキシマブ投与に続いて体重調整した用量の「ゼヴァリン」をゆっくり静注した。

 「ゼヴァリン」は抗CD20モノクローナル抗体を放射性同位元素でラベルした製品だ。正常細胞もわずかながらCD20を発現しているため、それらに「ゼヴァリン」が結合し、有害な作用を及ぼすことを避ける前処理が必要だ。そこで、あらかじめ抗CD20 抗体であるリツキシマブを投与して正常細胞のCD20 をマスクする方法が適用される。

 「ゼヴァリン」治療により、部分寛解だった14人のうち12人(86%)が完全寛解を達成、完全寛解率は96%(57人中55人)になった。また、化学療法終了後に分子的寛解に至っていなかった18人中14人(78%)が「ゼヴァリン」治療により分子的寛解を達成した。

 中央値30カ月の追跡で、3年生存率の推定値を求めたところ、3年無進行生存率は76%、3年全生存率は100%になった。

 グレード3/4の血小板減少症、好中球減少症、貧血が、それぞれ63%(57人中36人)、53%(57人中30人)、23%(57人中13人)に見られた。熱性好中球減少症は9%(57人中5人)だった。輸血は57人中21人に行われた。累積毒性は認められなかった。

 なお、再発した患者にはCHOP (シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)+リツキシマブがサルベージ療法として用いられたが、全員が治療に耐えられたことから、「ゼヴァリン」がその後の積極的な治療を妨げないことが示された。

 得られた結果は、「ゼヴァリン」が部分寛解の患者を完全寛解にするため、また、分子的寛解を誘導するために有用で、無進行生存期間延長をもたらす可能性を示した。

 CTI社は米国における「ゼヴァリン」の権利を2007年12月に取得している。日本でもバイエル薬品が2008年1月に「ゼヴァリン」の承認を獲得。適応は、CD20陽性の再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫ならびにマントル細胞腫となっている。