頭頸部癌において、治療前にうつ症状があり、喫煙習慣があることが、1年後のQOL低下につながることが分かった。成果はArchives of Otolaryngology-Head & Neck Surgery 3月号に発表された。患者のQOLを改善するには、うつ症状に対する治療および禁煙治療を積極的に行うべきだろうと研究グループは述べている。

 研究では3カ所の医療機関を受診した頭頸部癌患者316人を対象に、QOL(生活の質)の包括的尺度である「SF36」 と、頭頸部癌に特異的なQOL尺度である「HNQoL」を用いて、治療前と治療後1年目の健康関連QOLを評価した。患者の平均年齢は58.6歳、男性が79.4%を占めた。

 治療前と治療後1年目のQOLを比較した結果、1年後には、身体的機能や摂食行動に関するQOLは低下していたが、精神的な健康は改善していた。また、治療前のうつ症状および喫煙習慣が、1年後のQOL低下を予測する因子になることも分かった。

 さらに治療別に見ると1年間に、化学療法を受けた患者は64.9%、放射線療法を受けた患者は86.4%、手術が50.6%を占め、1年目の時点で経管栄養を行っていた患者は19.9%だった。このうち経管栄養、化学療法、放射線療法は、1年後の摂食やコミュニケーションの問題につながることが示された。

 これらのことから研究グループは、「患者がそれぞれの治療で経験するであろうQOLの変化を、医師は(事前に)患者に説明すべきである」としている。