タカラバイオは、3月3日、同社の寄附講座である三重大学大学院医学研究科の珠玖洋教授のグループが、卵巣癌頭頸部癌食道癌骨髄腫の患者を対象とした、化学療法後の癌免疫再建療法の臨床研究を開始したと発表した。同日、患者登録を開始した。

 今回開始する臨床研究「進行・再発悪性腫瘍に対する化学療法後の培養Tリンパ球輸注・MAGE-A4ペプチド投与による免疫治療臨床研究」では、タカラバイオが開発したレトロネクチンを活用する。レトロネクチン拡大培養法と呼ばれるTリンパ球の培養を行うもので、レトロネクチンというたんぱく質と抗CD3モノクローナル抗体を加えてTリンパ球を拡大培養する。分化が進んだT細胞よりも未分化なナイーブT細胞の方がより高い抗腫瘍活性を持つ可能性があることがこれまでに示唆されている。

 この培養したT細胞の輸注とともに癌抗原であるMAGE-4Aペプチドを投与する試験を行う。プライマリーエンドポイントは安全性評価、セカンダリーエンドポイントとして腫瘍抗原特異的免疫誘導効果を検証する計画だ。症例数は9例を予定しており、白血球抗原がHLA-A2402またはHLA-A0201であり、腫瘍組織にMAGE-A4を発現していて、かつそのほかの癌抗原としてNY-ESO-1、WT-1、MAGE-A3、SAGEのうちの少なくとも1種類が発現している症例だ。