米Genentech社は、2月22日、抗血管内皮成長因子VEGF)抗体ベバシズマブがパクリタキセルとの併用で、化学療法を受けていない転移性HER2陰性乳癌患者を対象にファーストラインの治療法として迅速承認を米国食品医薬品局(FDA)から獲得したと発表した。

 米国では、Oncologic Drugs Advisory Committee(ODAC)が、局所再発や転移性HER2陰性乳癌で化学療法を受けていない患者に対するベバシズマブとパクリタキセルの併用治療に関して有効性の確立にはデータが不十分だとする勧告を2007年12月にまとめていた。そのため、FDAの判断が注目されていたが、迅速認可という形になった。

 欧州では2007年3月にベバシズマブのパクリタキセルとの併用でHER2陰性乳癌への適応が既に認められている。わが国ではフェーズII臨床試験が行われており、中外製薬が2009年に申請の予定だ。

 今回の承認はフェーズIII試験E2100の試験結果を基に行われたもの。E2100試験は多施設無作為化臨床試験で、未治療の局所再発または転移性の乳癌患者722人を対象に行われた。患者は4週間を1サイクルとしてそのうち3週間、毎週パクリタキセルの投与を受け、ベバシズマブを併用する群と併用しない群に分けられた。その結果、主要評価項目であった無増悪生存期間は、ベバシズマブを併用しなかった群が5.8カ月だったのに対して、併用群は11.3カ月と長かった。ただし副次評価項目である全生存期間については、ベバシズマブ併用群の方が1.7カ月長かったが統計学的に有意ではなかった。

 今回の承認はFDAの迅速承認システムに基づいて行われた。Genentech社は、2番目の有望結果が出たフェーズIII臨床試験AVADOの要約と、2008年後半に試験結果が出ると予想されているRIBBON I試験の情報をFDAに提供している。FDAは迅速承認を完全承認に変えるためには、この2つの試験結果を精査する必要がある。また、乳癌全体におけるベバシズマブの完全な評価を受けるためには、Genentech社は、進行中または計画中の3件の追加の臨床試験のデータを提出する必要があるという。