肝癌ガイドライン研究班が、肝細胞癌の予防、画像診断、腫瘍マーカー、手術、経皮的局所療法、化学療法についてまとめた、2005年の「科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン」では、肝細胞癌の危険因子を有する症例に対する定期的スクリーニングについて、「超音波検査と腫瘍マーカーの併用による肝細胞癌スクリーニングを軸とし、肝硬変症例などの超高危険群ではダイナミックCTまたはダイナミックMRIを併用する(グレードB)」とされている。また、ガイドラインでは、ダイナミックCTとダイナミックMRIの比較では、ダイナミックMRIの方が感度が高く、CTで検出できない小病変がMRIで検出できると指摘している。スクリーニング検査として何度も検査を行う場合は、MRIに被曝がないというメリットも重要といえる。

図2 プリモビスト造影MRIでのみ検出された小病巣の症例(画像をクリックすると拡大します)

 谷本氏は、ダイナミック造影に加えて肝機能の有無が評価できるプリモビストによって、CTやダイナミック造影相だけでは検出されず、肝細胞造影相でのみ検出された径1cmの小病変がある症例(図2)や、肝腫瘤の鑑別で、肝細胞癌と肝機能が残っている異形成結節や良性腫瘍を鑑別できた症例を紹介。「超音波検査で肝腫瘍の疑いが見られたらプリモビストを使ったMRIを行うという診断法が主流になる可能性はあるだろう」と指摘した。