日本胃癌学会ガイドライン作成委員会は、胃癌治療ガイドラインの内容に変化を与える研究の結果を、胃癌学会のホームページで公開した。

 4つの研究結果が候補に上げられ、そのうちの2つ、JCOG9501(胃癌に対する大動脈周囲リンパ節郭清の臨床的意義に関する研究)と、ACTS-GC(進行胃癌に対する術後補助化学療法としてのTS-1の有用性の検討)が掲載という判断となった。

 残りの2つ、N-SAS-GC(UFTを用いた胃癌術後補助化学療法に関する研究)、MAGIC Trial(ECF(Epirubicin+CDDP+5-FU)の補助化学療法としての有用性の検討、N Eng J Med 2006;355:11-20)については保留とされた。

 これは、ガイドライン作成委員会が、胃癌に関する重要な研究結果を選出、検討して、評価委員会に諮るもの。評価委員会は作成委員会から提出された研究結果について評価した後、理事会に諮る。今回、JCOG9501とACTS-GCは、ガイドライン委員会委員から掲載すべきと評価され、それが理事会で承認されたため、胃癌学会ホームページ、胃癌学会ニュースに掲載された。

 JCOG9501は、進行胃癌に対する胃切除術において、標準的D2に大動脈周囲リンパ節郭清を加えることで予後が改善するかを検証したフェーズIII臨床試験。結論として、根治可能な進行胃癌に対して予防的郭清としての大動脈周囲リンパ節郭清は行うべきではないとしたものだ。

 ACTS-GCは、根治A、B手術を受けたステージII(ただしT1症例を除く)、ステージIIIAそしてステージIIIBの胃癌症例を対象として、手術単独に対するTS-1を用いた術後補助化学療法の有用性について検証する1059例を登録した試験。結論として、胃癌術後補助化学療法としてのTS-1投与は安全にして有効であり、ステージII、ステージIII胃癌手術後の標準療法になると考えられるというものだ。