初期前立腺癌の高齢患者のほとんどは治療をすぐに必要としないか、癌が明らかに進行する前に他の原因によって死亡する可能性が高いことが明らかとなった。治療を受けなかった9000人以上の高齢の局所前立腺癌患者を対象にした試験の結果、判明したもの。成果は米国臨床腫瘍学会などが2月14日から16日にサンフランシスコで開催したGenitourinary Cancers SymposiumでThe Cancer Institute of New JerseyのGrace Lu-Yau氏によって発表された。発表された試験は高齢者の初期前立腺癌を対象に観察された最も大規模なものの1つになるという。

 同氏は、「前立腺癌の治療には副作用が伴うことがある。今回のデータは治療を受けるか受けないか、患者が選択するのに役立つ」と語り、また「治療を受けないことを選択した患者は、前立腺特異抗原(PSA)値の上昇や他の癌の成長に関する兆候を注意深く観察されるべき」と付け加えた。

 今回の研究は、米国のデータベース(U.S.Surveillance, Epidemiology and End Results)を用いて、1992年から2002年の間に1期または2期の前立腺癌と診断され、最初に手術や放射線療法のような局所療法やホルモン療法を受けなかった9018人について解析が行われた。患者の年齢中央値は77歳(range:66〜104)だった。

 研究グループは、解析したグループの前立腺癌が一般的に成長が緩やかであることを見出した。ほとんどの患者が何の治療を受けることはなかった。約3分の2の患者が他の原因で死亡するか、手術や放射線療法を行うほど癌が進行しなかった。2675人の患者が何らかの治療を受けたが、診断から癌の治療開始までの期間の中央値は10.6年(127カ月)だった。