Ta、T1期の表在性膀胱癌で移行上皮癌を経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)で完全に腫瘍を切除したのちに、当日と翌日にエピルビシンを膀胱内に注入すると、エピルビシン注入を行わなかった対照群に比べて、無再発生存期間が有意に延長できることが明らかとなった。この結果は米国臨床腫瘍学会などが2月14日から16日にサンフランシスコで開催したGenitourinary Cancers Symposiumで岡山大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学講師の雑賀隆史氏によって発表された。

 臨床試験は、術後にエピルビシン20mgを40mLの生理食塩水に溶かして2度投与する群(試験完了が79人)、エピルビシン50mgを100mLの生理食塩水に溶かして2度投与する群(84人)、術後に何も投与しない群(77人)に分けて実施された。薬液は膀胱内に1時間保持された。

 その結果、20mgを投与した群では統計学的に有意な改善は認められなかったが、50mg投与群は無再発生存期間中央値が38カ月だったのに対して、何も投与しなかった群が22.4カ月と統計学的に有意な改善が確認された。濃度が同一なのに量を多く投与した群で効果が高かったことについて、雑賀氏は、尿で薄まる場合に量を多く投与した場合が濃度が高くなることと、投与した容量が多いほど膀胱が広がりエピルビシンが作用しやすくなることなどを指摘した。

 一方、重篤な副作用は認められなかった。排尿痛などの膀胱への刺激反応は20mg投与群で83人中19人、50mg投与群で90人中32人に認められた。毒性は20mg投与群で3人(赤血球異常が2人、GOT/GPT異常が1人)で認められ、50mg投与群で9人(赤血球異常が2人、白血球異常が2人、GOT/GPT異常が3人など)で認められた。