ドセタキセルベースの化学療法がうまくいかなかった去勢抵抗性の転移性前立腺癌に、abiraterone acetate(CB7630)という薬剤の効果が期待できることが明らかとなった。フェーズII臨床試験の予備的な解析の結果で、米国臨床腫瘍学会などが2月14日から16日にサンフランシスコで開催したGenitourinary Cancers Symposiumで、米Memorial Sloan-Kettering Cancer Center(MSKCC)のD C Danila氏によって発表された。

 abirateroneは経口で不可逆的にCYP17(P450c17)を阻害(17α-hydroxylaseとC17,20-lyaseを阻害)する製剤で、精巣、副腎、前立腺におけるテストステロンの産生を阻害する。血清中のアンドロゲンレベルを検出レベル以下に下げることが示されている。

 多施設フェーズII試験COU-AA-004は、abirateroneを経口で毎日1000mg、プレドニゾン5mgを1日2回投与し、28日を1サイクルとして12サイクル行うことを基本とした。43人の患者が選択され、38人の患者がMSKCCで登録された。患者の年齢中央値は72歳(55-87)で、一次治療として前立腺全摘出術を受けた患者が12例(32%)、前立腺への放射線治療を受けた患者が11例(29%)、一次治療を受けていない患者が15例(39%)だった。グリソンスコア中央値は7(7-9)、診断時の前立腺特異抗原(PSA)値中央値は12.2(6.36-41.88)、試験参加時のPSA中央値は86.3(33-311.5)だった。ホルモン療法は1ライン受けている患者が2例(5%)、2ライン受けている患者が6例(16%)、3ライン受けている患者が8例(21%)、4ライン受けている患者が8例(21%)、5ライン以上受けている患者が14例(37%)だった。ケトコナゾールによる治療を受けた患者も17例(45%)存在した。1ラインの化学療法(ドセタキセル)を受けた患者が26例(68%)、セカンドラインのレジメンまで受けた患者が12例(32%)だった。

 試験の結果、PSA値が50%以上減少したのは38例中17例(44.7%、95%信頼区間 30.1-60.4)となった。ケトコナゾールを受けたことのある患者とない患者で差はなかった。13週から24週継続して投与し続けている患者が4例、25週以上継続して投与している例も9例存在する。放射線学的な解析で骨転移、リンパ節転移、内臓転移の状態を調べたところ、6カ月時点で病状が進行していない患者は内臓転移の3例を含む9例で認められた。

 一方、副作用はグレード3の倦怠感が1例(2.6%)、グレード3の肺炎が1例(2.6%)、グレード3のヘモグロビン減少が1例(2.6%)、グレード3のリンパ球減少が6例(16%)などだった。

 abirateroneのフェーズIII試験は、米国のバイオベンチャーであるCougar Biotechnology社によって2008年春に開始される予定だ。