前立腺癌患者に陽子線治療を行うことは、安全性が高い可能性が示された。国立がんセンター東病院、静岡県立静岡がんセンター、兵庫県立粒子線医療センターの3施設で行っているフェーズII臨床試験の中間解析の結果明らかとなったもの。成果は米国臨床腫瘍学会(ASCO)などが2月14日から16日にサンフランシスコで開催したGenitourinary Cancers Symposiumで、国立がんセンター東病院放射線部放射線治療室の二瓶圭二氏が発表した。

 前立腺癌への陽子線治療は手術と同等の効果があることが示されているが、安全性については理論が先行し、実際のデータ蓄積が進んでいないのが現状。今回、主要評価ポイントである治療後2年時点でのグレード2以上直腸毒性の中間解析結果が発表された。実際の発生率が10%以下になるためには、95%信頼区間で16%を下回ることが必要となるが、登録された151例中60人の結果で3.3%(95%信頼区間 0-11)と、現在のところ目標を達成している。

 151例の登録された患者は74GyE(1日2GyE)の陽子線の照射を受けたあと、最初の2年間は1カ月後とそれから3カ月ごとに毒性と前立腺特異抗原(PSA)のデータが集められ、その後は半年ごとにデータが集められている。登録は2004年3月から2007年5月までに行われた。年齢の中央値は67歳(51-82歳)で、T1cが75例、T2aが49例、T2bが9例、T2cが17例、T3aが1例。グリソンスコアは4が5例、5が15例、6が80例、7が51例と、悪性度は低度から中等度の患者が比較的多かった。リスク分類では低リスクが77例で中等度リスクが74例だった。

 急性毒性は評価可能119例中、直腸関連ではグレード1が11例、グレード2が1例(排便時の肛門痛)で、膀胱関連はグレード1が65例、グレード2が16例(尿閉など)だった。2年以上の長期観察ができた60例での晩期毒性は、直腸関連はグレード1が10例、グレード2が2例だった。膀胱関連はグレード1が5例、グレード2が4例だった。グレード3以上の晩期毒性は観察されていない。