カナダYM BioSciences社は、2月13日、同社の米国子会社である米YM BioSciences社が進めている、小児における手術不能な治療抵抗性脳腫瘍である再発びまん性内在性橋グリオーマDIPG)を対象としたニモツズマブのフェーズII臨床試験で、最初の患者が登録されたと発表した。この患者は米M.D Anderson Cancer Centerで治療を受けていた患者だ。ニモツズマブは、ヒト化抗上皮成長因子受容体抗体(抗EGFR抗体)で、DIPGのほか、さまざまな癌を対象に開発が進められている。

 このフェーズII臨床試験は、DIPG患者44人を対象として計画された試験で、ニモツズマブ単独群のみのものだ。プライマリーエンドポイントは奏効率で、15%を目指している。

 欧州における小児を含むDIPG患者を対象としたニモツズマブ単独治療のフェーズII臨床試験では、21人を対象に、治療開始8週間後に、部分奏効(PR)と病勢安定(SD)あわせて38%という結果が得られている。8人は治療開始から21週継続し、うち3人は部分奏効、1人は病勢安定が得られている。

 また、欧州では、小児のDIPGを対象としてニモツズマブと放射線療法の併用をファーストラインで実施するフェーズIII臨床試験の患者登録が完了しており、2008年中頃には結果が発表される予定だ。

 ニモツズマブは、アルゼンチン、中国、コロンビア、インドなどで頭頸部癌、グリオーマで承認が得られているが、カナダ、米国、欧州、日本では得られていない。欧州では、小児のDIPG、成人のグリオーマでフェーズIII臨床試験、膵臓癌でフェーズII試験が進行中。カナダで頭頸部癌、ハイグレード小児グリオーマ、膵臓癌、DIPG、結腸直腸癌でそれぞれフェーズII試験、米国でDIPGでフェーズII試験、カナダと韓国で非小細胞肺癌でフェーズI試験の段階だ。

 日本では第一三共が開発、販売権を獲得しており、フェーズI臨床試験を開始している。適応症については、EGFRが関与する癌について検討している。