切除不能肝転移を持つ大腸癌患者にイリノテカンUFTロイコボリン5FU肝動注を併用することで、6割強の患者が肝転移の切除が可能となったことが明らかとなった。これらの薬剤を併用投与する国内フェーズI/II試験の結果、明らかとなったもの。成果は、1月25日から27日に米国オーランドで開催された2008 GASTROINTESTINAL CANCER SYMPOSIUM(ASCO GI)で東京都立駒込病院の山口達郎氏が発表した。

 フェーズI臨床試験は12人の患者を対象に実施された。UFT、ロイコボリン、5FUの肝動注の量は固定し、イリノテカンの量を4段階に分けて試験をした。1サイクルは14日間とし、UFTは1日あたり300mg/m2を1日目から7日目まで投与し、ロイコボリンは1日75mgを1日目から7日目まで投与した。5FUの肝動注は週あたり2000mgを8日目から14日目に投与した。イリノテカンは1日目に投与したが、投与量を100mg/m2(3人)、120mg/m2(3人)、140mg/m2(6人)の3段階に分けて行われた。

 フェーズI試験の結果、グレード4の副作用はなく、フェーズII試験のイリノテカンの推奨用量は140mgとなった。

 フェーズII試験はイリノテカンの量を140mg/m2にして、同様の投与スケジュールで行われた。試験に参加した患者の人数は22人で、フェーズI試験でイリノテカン140mg/m2の投与を受けた6人も含められている。

 フェーズII試験の結果、完全奏効は0人だったが、部分奏効(PR)が19人(86.4%)、安定状態(SD)が3人(13.6%)、悪化(PD)が0人だった。肝切除が可能になったのは22人中14人(63.6%)となった(95%信頼区間 40.7-82.8)。フォローアップ期間中央値23.2カ月で、無増悪生存期間中央値は11.2カ月。全生存期間中央値はまだ到達していない。1年生存率は95.5%、2年生存率は69.3%だった。

 一方、副作用はグレード3以上の好中球減少症が5人、貧血が5人に認められ、併用療法は安全に実施することができた。