上皮細胞成長因子受容体EGFR)を標的とした完全ヒトモノクローナル抗体製剤パニツムマブが、フルオロピリミジン、イリノテカン、オキサリプラチンによる治療が成功しなかった転移性大腸癌患者に単剤投与で有効であることが、わが国6施設で行われたフェーズII臨床試験の結果、明らかとなった。効果と安全性は日本人以外を対象に行われたフェーズIII試験の結果と一致した。成果は、1月25日から27日に米国オーランドで開催された2008 GASTROINTESTINAL CANCER SYMPOSIUM(ASCO GI)で国立がんセンター東病院消化器内科の吉野孝之氏によって発表された。今回のデータを基に国内で申請が準備されている。

 フェーズII臨床試験は、フルオロピリミジン、イリノテカン、オキサリプラチンによる治療が成功しなかった転移性大腸癌患者で、免疫組織化学的にEGFRが腫瘍部に1%以上発現している患者を対象に行われた。被験者は6mg/kgのパニツムマブを2週おきに、病状が進行するか受け入れられない毒性が出現するまで投与された。主要評価項目は修飾RECIST評価による奏効率だった。効果の確認は4週間以降に行われた。

 試験の結果、少なくとも1回のパニツムマブ投与を受けた患者は52人だった。完全奏効は0例(0%)、部分奏効(PR)が7例(13%)、安定状態(SD)が17例(33%)、進行(PD)が26例(50%)、評価不能が2例(4%)となり、奏効率は13.46%(95%信頼区間 5.59-25.79)だった。SD期間の中央値は15.0週(95%信頼区間 11.4-16.3)無増悪生存期間中央値は8.0週(95%信頼区間 7.4-11.4)で、全生存期間中央値は32.3週(95%信頼区間 28.7-NE)だった。

 多くみられた治療に関連した副作用は、座瘡(全グレードが81%、グレード3/4が2%)、乾皮症(全グレードが62%、グレード3/4が0%)、皮疹(全グレードが46%、グレード3/4が2%)、爪周囲炎(全グレードが33%、グレード3/4が2%)、掻痒(全グレードが33%、グレード3/4が0%)、低マグネシウム血症(全グレードが33%、グレード3/4が0%)で、忍容性が確認された。