進行胃癌を対象にファーストラインとして、イリノテカンS-1の併用療法(IRI-S)とS-1単独投与を比較したフェーズIII臨床試験の結果が明らかとなった。IRI-S群は生存期間中央値でS-1単独投与群を上回ったが、全生存期間(OS)では統計学的な有用性を示すことができなかった。成果は1月25日から27日に米国オーランドで開催された2008 GASTROINTESTINAL CANCER SYMPOSIUM(ASCO GI)で市立堺病院の今村博司氏によって発表された。

 今村氏は、結果について、「1年半が予想された生存期間だったが、予想を上回る22%、68人の患者が両群で生存しており、より正確にOSを評価するためには、フォローアップ期間をもっと大きくとってみないとわからない」と語り、IRI-Sの生存率が伸びる可能性を指摘した。

 フェーズIII臨床試験は、1日当たり80mg/m2のS-1を4週間、6週おきに投与するS-1単独投与群と、1日目と15日目に80mg/m2のイリノテカンと、1日目から21日目まで80mg/m2のS-1投与を5週おきに投与するIRI-S群に分けて行われた。試験参加基準を満たし、評価された患者は、S-1単独投与群で160人、IRI-S群で155人となった。

 試験の結果、奏効率はS-1単独群が26.9%(95%信頼区間 18.2-37.1)、IRI-S群が41.5%(95%信頼区間 31.4-52.1)で、IRI-S群が有意に高かった。生存期間中央値は、S-1単独群が10.5カ月(95%信頼区間 9.4-13.0)、IRI-S群が12.3カ月(95%信頼区間 10.7-15.1)だった。1年生存率はS-1単独群が44.9%(95%信頼区間 37.2-52.6)、IRI-S群が52.0%(95%信頼区間 44.1-59.9)だった。フォローアップ期間中央値はS-1単独群が10.4カ月で、IRI-S群が12.6カ月。Log-rank検定を行ったところp=0.2327、ハザード比0.856(95%信頼区間 0.663-1.106)でIRI-Sの優越性を示すことはできなかった。

 副作用については両群とも忍容性が認められた。