染色体上の5つの一塩基多型(SNP)と家族歴が、前立腺癌の発症に関わっている可能性の高いことがスウェーデン人を対象とした研究で明らかになった。この結果はNew England Journal of Medicine電子版に発表された。

 研究では、前立腺癌に関与すると考えられている染色体8q24の3領域および17q12と17q24.3の全5領域から16の一塩基多型(SNP)を選択し、スウェーデンの前立腺癌患者2893人および対照群として1781人において、前立腺癌との関連性を調べた。

 その結果、5つの領域のSNPはいずれも患者群と対照群において遺伝子頻度に有意な違いが見られた。また5つの領域にある5つのSNP(17q12のrs4430796、17q24.3のrs1859962、8q24のrs16901979、rs6983267、rs1447295)において、オッズ比から人口寄与危険度(PAR)を求めたところ、PAR は3.58〜22.17%であり、これら5つを合わせたPARは40.45%、さらに5つのSNPに家族歴を加えたPARは46.34%になった。

 5つのSNPおよび家族歴のうち、5つ以上の因子を持っている場合の前立腺癌リスクは、いずれも持っていない場合に比べて9.46倍(95%信頼区間 3.62-24.72、p=1.29×10-8)、4つの因子では4.76倍(同3.31-6.84、p=9.17×10-19)だった。

 また5つのSNPは、病気の侵襲性やPSAレベルとは独立した因子であることが確認されたことから、研究グループは「前立腺癌に関与した遺伝的変異がある場合、PSA値が低くても、前立腺癌を発症するリスクは高くなる可能性がある」としている。

 さらに研究グループは「SNPが前立腺癌のリスクに影響を及ぼすメカニズムは不明」だが、「遺伝的変異は癌化の初期段階に作用しているのではないか」としている。