1月17日に開催された、厚生労働省の第4回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会において、各都道府県における癌診療のとりまとめ役である、都道府県がん診療拠点病院(都道府県がん拠点病院)と、がん診療連携拠点病院(がん拠点病院)が新たに指定された。

 今回の承認により、全国44都道府県において都道府県がん拠点病院が整備された(新たに指定された医療機関は、文末一覧参照)。都道府県がん拠点病院は、原則として各都道府県に1施設を指定することとなっているが、複数を指定して相乗効果が期待できると判断されたため、宮城県、東京都、福岡県においては、2つの施設が都道府県がん拠点病院として指定された。

 滋賀県においても、2つの施設を都道府県がん拠点病院として推薦されていたものの、推薦された2つの医療機関における患者数や治療実績がさほど多くないこと、2つの都道府県がん拠点病院を持つことによる相乗効果が不明であることなどから却下され、都道府県がん拠点病院としては1つの医療機関に絞るよう指示された。

 また、北海道と香川県では、今回の会議において、都道府県がん拠点病院の推薦がなかった。そのため、北海等、香川県、滋賀県の3県のみが、現在、都道府県がん拠点病院が定まっていないことになる。

 一方、がん拠点病院としては、書類内容の再確認の条件付き4件を含め、全国に351カ所が最終的には承認されることとなる。がん拠点病院としての申請を却下されたのは、徳島県立三好病院。その理由としては、手術件数が年間87件と少ないことなどが挙げられた。

 ただし、今回承認された他の医療機関でも、年間手術件数が4000件を超える医療機関がある一方で、年間120〜140件程度の手術件数しかない医療機関も複数あった。そのため、がん拠点病院といっても、外科医のレベルが一定とはいいがたそうだ。

 厚労省では、がん拠点病院の整備に関する指針の見直しを進めており、今後、放射線治療装置を有すること、緩和ケアチームにおいて、身体症状の緩和のみならず、精神症状の緩和を専門とする医師(サイコオンコロジスト)の配置も義務づけていく方向だ。しかし、外科医の設置条件についての検討は進んでいない。

 そのため、今回の検討会では委員のなかから、外科医を確保するための基準についても検討すべきとする発言がみられた。

●今回新たに指定された都道府県がん拠点病院
青森県立中央病院
岩手医科大学附属病院
山形県立中央病院
茨城県立中央病院茨城県地域がんセンター
埼玉県立がんセンター
東京都立駒込病院
癌研究会有明病院
奈良県立医科大学附属病院
鳥取大学医学部附属病院
島根大学医学部附属病院
国立病院機構九州がんセンター
九州大学病院
大分大学医学部附属病院
宮崎大学医学部附属病院
琉球大学医学部附属病院