フランスTransgene社は、1月10日、進行非小細胞肺癌のファーストライン化学療法の補助療法として開発を進めているワクチン製剤「TG4010(MVA-MUC1-IL2)のフェーズIIb臨床試験の予備的な結果を発表した。

 TG4010は、ワクシニアウイルス(MVA)をベクターとし、MUC1という癌抗原の遺伝子を組み込んだ組み換えウイルスワクチンだ。MVAは、抗原に対して強い免疫反応を誘導できる作用を持つことが知られている。加えて、IL2遺伝子も組み込んでいるため、インターロイキン-2が発現し、特異的T細胞の反応を刺激できると考えている。

 今回実施したフェーズIIb試験は、シスプラチン、ゲムシタビンとTG4010を併用する群とシスプラチン、ゲムシタビンのみの群を比較するもので、欧州各国27施設、148人が登録された。対象は、ステージIIIBかステージIVの全身性治療を受けていない、MUC1が発現している非小細胞肺癌だ。

 予備的な結果では、安全性に問題は確認されず、有害事象のほとんどは化学療法に起因するものだったという。血液毒性も両群間で差はなく、TG4010に起因する有害事象で観察されたものは、通常のワクチン接種の際にも観察される、注射部の反応と無力症(asthenia)だった。

 2008年中に最終的な解析結果を発表する予定だ。

 同社は、これまでにTG4010のフェーズII試験を実施しているが、これはシスプラチンとビノレルビンに併用する、44人のステージIIIB/IVの非小細胞肺癌患者を対象としたものだ。2005年のASCOで結果を発表しており、反応率は反応を評価できた35人の患者を対象に37%、進行までの期間の中央値は6.4カ月、全生存期間中央値は13カ月と予測されたという。