ドキソルビシンによる補助化学療法の後に、ドセタキセルを投与することで、進行乳癌の無増悪生存がわずかながら改善することが、大規模なフェーズIII臨床試験で明らかになった。結果はJournal of the National Cancer Institute電子版1月8日号に掲載された。

 これは大規模国際臨床試験Breast International Group(BIG)02-98によるもの。試験では進行乳癌患者2887人を対象に無作為に以下の4群に割り付けた。まず、アントラサイクリン系抗癌剤であるドキソルビシン(A)75 mg/m2を4サイクル投与後に、シクロホスファミド+メトトレキサート+フルオロウラシル(CMF療法)を3サイクル継続する群(A-CMF群:481人)と、ドキソルビシン(A) 60 mg/m2とシクロホスファミド600 mg/m2を4サイクル投与し、その後CMF療法を3サイクル行う群(AC-CMF群:487人)の2群を対照群とした。

 一方、ドセタキセルを投与する群として、ドキソルビシン(A)75 mg/m2を3サイクル投与後、ドセタキセル(T)100 mg/m2を3サイクル、その後さらにCMF療法を3サイクル行う群(A-T-CMF群:960人)、ドキソルビシン(A) 50 mg/m2とドセタキセル(T) 75 mg/m2を4サイクル同時に投与し、CMF療法を3サイクル行う群(AT-CMF群:959人)とし、計4群において無増悪生存(DFS)を比較した。

 追跡期間中央値62.5カ月において、乳癌再発や2次性癌の発生および死亡は732人。このうち再発が642人を占め、再発率は対照群であるA-CMF群が21.8%、AC-CMF群が24.8%で、ドセタキセルを投与したA-T-CMF群では19.9%、AT-CMF群は23.5%だった。

 5年間のDFS率は、A-CMF群が73%(95%信頼区間69-77)、AC-CMF群が72%(同68-76)、ドキソルビシンの後にドセタキセルを投与したA-T-CMF群は78%(同75-81)と最も高く、同時投与のAT-CMF群は74%(同71-77)だった。

 さらに各群をDFSのハザード比で比較すると、A-T-CMF群では、対照群のA-CMF群に対するハザード比は0.79(同0.64 -0.98、P = 0.035)、ドキソルビシンとドセタキセルを同時投与したAT-CMF群に対しても0.83(同0.69-1.00)と無増悪生存に改善が見られた。一方、AT-CMF群では対照群のAC-CMF群に対して0.93(同0.75-1.14、P = 0.48)と有意な改善は認められなかった。

 ただし、ドセタキセル投与群(A-T-CMF群+AT-CMF群)の、対照群(A-CMF群+AC-CMF群)に対するハザード比は0.86(同0.74-1.00、p=0.051)と統計的にわずかに有意であったにすぎなかった。このため、研究グループは「ドキソルビシンとドセタキセルの投与スケジュールが結果に違いをもたらすのだろう」としている。