1月9日に開催された厚生労働省の先進医療専門家会議において、これまで先進医療として実施されてきた、強度変調放射線治療、泌尿器腫瘍(腎腫瘍、前立腺癌、副腎腫瘍)に対する内視鏡下小切開手術、培養した癌細胞を用いた抗癌剤感受性試験を保険診療に移行することが決定した。

 強度変調放射線治療は、放射線の線量を調節することができるため、副作用を軽減しつつ、高い効果が期待できる治療法だ。保険導入されることで、より安全で効果的な放射線治療をより多くの患者が享受できるようになると期待される。また、内視鏡下小切開手術は、腹腔鏡手術に比べて、患者の負担が軽く、安全性がより高い手術法だ。

 ただし、今回の会議では、子宮頸癌の早期発見における有効性が海外で広く認められ普及してきている、子宮頸部前癌病変のヒトパピローマウイルスHPV)の遺伝子検査は、引き続き先進医療の枠組み内で行うこととなった。

 HPV遺伝子検査の審査を担当した新潟大学教授の田中憲一氏は、「HPV遺伝子検査は、有効性も認められているため、保険診療として認めるべきと考え、(厚労省の)事務局にもお願いした。しかし、同検査は現在治験中という理由で保険診療への移行に至らなかった」という。

 厚労省の担当官によると、先進医療から保険医療への移行の審議は、年1回開催される予定。そのため、HPV遺伝子検査が保険診療になるには、検査キットが承認され保険適用されるか、1年後の会議での審議を待つことになる。

 HPV遺伝子検査と子宮頸部の細胞診を組み合わせた検査により、子宮頸癌の発症リスクは非常に正確に予測することができる。そのため、子宮頸癌の早期発見・早期治療に有効だ。今回、HPV遺伝子検査の保険導入が見合わされたことは非常に残念な結果といえる。