卵巣癌発症リスクとして知られているBRCA1/2遺伝子変異を持つ場合、遺伝子変異を持たない場合に比べて、治療成績が良い傾向が明らかになった。この傾向は、進行度が高く、病理学的悪性度が悪いほど強かったという。

 これは、イスラエルの研究グループが、ユダヤ人を対象に行った研究の結果。BRCA1/2遺伝子の変異は、家族性卵巣癌のみでなく家族性乳癌の危険因子としても知られる。そのため、同遺伝子変異はネガティブにとらえられやすいが、今回の成果から、遺伝子変異の有無が、最適な治療法の選択につながる可能性が示唆されたといえる。

 今回の研究は、1994年〜1999年の間にイスラエルで行われたケースコントロール研究に参加した卵巣癌患者を、2003年まで追跡調査した結果。605人のアッシュケナージ系ユダヤ人の女性を対象にしており、そのうち35.2%の213人がBRCA1/2遺伝子に変異を有していた。

 その結果、全体の5年生存率は39%であった。中間生存期間は、遺伝子変異を持つ場合は53.7カ月と、遺伝子変異を有しない場合の37.9カ月に比べて有意に長かった。また、ステージ3、4の患者、病理学的悪性度が悪い場合に、この傾向はより強かった。

 すなわち、アッシュケナージ系ユダヤ人において、遺伝子変異を有する場合の方が生存期間が長いということになる。その理由として、研究グループは、変異の有無により子宮癌の性質が異なること。変異を有する場合に、化学療法への反応性が高いことが影響している可能性があるとしている。