厚生労働省が、来年2008年度の予算案を発表した。“がん対策の総合的かつ計画的な推進”という項目名で要求した癌にかかわる予算は、今年度比11%増の236億円となる。

 癌治療にかかわる医師に対する緩和ケアやコミュニケーション技術などの研修の実施や医療用麻薬の適正使用推進のための研修会実施のための予算額は4.5億円。在宅での緩和ケアへの希望に対して支援センターの設置や医療従事者への研究、在宅ホスピスケア推進のためのアドバイザー派遣などは2億円となった。

 放射線療法や化学療法を推進していくための環境整備を進める予算は54億円。具体的には、2次医療圏に1カ所程度の癌診療連携拠点病院を整備し、医療従事者に対して放射線療法や化学療法を実施するに当たって必要な研修の実施や、患者や家族への相談支援機能の強化などを実施する計画だ。また、高性能な放射線治療機器の整備のための緊急支援、国立がんセンターにおける化学療法や放射線療法、緩和ケアの専門医、コメディカルスタッフの育成を進めるための研修の実施も計画に盛り込まれた。

 また、癌の予防、早期発見や医療水準の均てん化などの予算総額は83億円。具体的には、乳癌検査用マンモコイルの緊急整備(8.7億円)やマンモグラフィによる診断を支援するモデル事業、癌検診の制度管理にかかわる検診従事者の育成、国民向けの予防や治療に関するパンフレット作成などの検診や普及啓発の推進(6.1億円)、がん対策情報センターにおける癌治療に関する最新情報の収集、蓄積、分析、発信や、都道府県癌対策推進計画に基づく事業の支援、癌診療連携拠点病院における遠隔病理診断体制の整備など(40億円)などがある。

 癌研究の推進は91億円となった。

※主な厚生労働省の癌関連の予算案の概要

がん対策の総合的かつ計画的な推進 総額236億円
(1)放射線療法・化学療法の推進と専門医等の育成 54億円
(2)治療の初期段階からの緩和ケアの実施 6.5億円
○専門的な緩和ケアの推進 4.5億円
○在宅療法・緩和ケアの実施 2億円
(3)がん登録の推進 32百万円
(4)がん予防・早期発見の推進とがん医療水準均てん化の促進 83億円
○がん予防・早期発見の推進 44億円
・乳がん検査用マンモコイルの緊急整備 8.7億円
・がん検診及び普及啓発の推進 6.1億円
○がん医療水準均てん化の促進 40億円
(5)がんに関する研究の推進 91億円