HER2陽性乳癌において、アントラサイクリン系抗癌剤による術後化学療法は、アントラサイクリン系抗癌剤以外の薬剤に比べ、無増悪期間は29%、生存期間は27%の改善が認められることが、8件の無作為化臨床試験のデータをプール解析して明らかになった。結果はJournal of the National Cancer Institute12月25日電子版に掲載された。

 アントラサイクリン系抗癌剤は抗腫瘍性抗生物質の一種で、乳癌に対してはドキソルビシンやエピルビシンが使われている。

 研究では、8件の無作為化臨床試験において、アントラサイクリン系抗癌剤による術後化学療法を受けた群と受けなかった群に分け、さらにHER2発現の状態によって、無増悪期間および生存期間を比較した。

 その結果、HER2陽性の乳癌患者(1536人)のうち、アントラサイクリン系抗癌剤による治療を受けた患者では、アントラサイクリン系抗癌剤以外の薬剤による治療を受けた患者に対するハザード比が、無増悪期間は0.71(95% 信頼区間0.61-0.83, P < .001)、生存期間は0.73(同0.62-0.85、P < .001)であることが示された。

 一方、HER2陰性の乳癌患者(3818人)では、アントラサイクリン系抗癌剤の優越性は示されず、無増悪期間のハザード比は1.00(同0.90-1.11、P = .75) 、生存期間も1.03(同0.92-1.16、P = .60)となった。