過去に行われた15の無作為化高用量化学療法の臨床試験のメタ解析の結果、リンパ節転移が4つ以上のハイリスク乳癌に対し、わずかな無再発生存(RFS:relapse-free survival)の改善が得られたが、全生存(OS)は改善は得られなかったことが明らかとなった。12月13日から16日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウムで米MDアンダーソンがんセンターのDonald Berry氏によって発表された。

 解析は過去世界中で行われた15の臨床試験の結果から6210人の患者が対象とされた。高用量化学療法(HDC)患者は3118人、標準化学療法(SDC)患者は3092人で、フォローアップ期間の中央値は7年だった。ホルモン受容体陽性者は両群とも66%だった。閉経前の女性は標準療法70%、高用量70%。リンパ節転移はSDC、HDCともに12個。腫瘍サイズも共に3.5cmだった。

 高用量化学療法による無再発生存のハザード比は0.87となりリスクは13%減少し、統計学的にも有意な値だったが、全生存のハザード比は0.96で、リスクはわずか6%の減少にすぎなかった。

 同試験を行った一人でMDアンダーソンがんセンター准教授の上野直人氏は、当初予想していた結果は得られなかった点を指摘。しかし、6000人以上の対象でリンパ節転移10個以上のデータは他にないことを強調した。現在10個以上のリンパ節転移患者への治療法はないのが現状で、さらなる解析を行い、新たなターゲットをみつけ、いかにアプローチするかが今後の課題であると述べた。