HER2陽性乳癌で脳転移を起こした患者に対しラパチニブとカペシタビンとの併用療法を行うことで、高率に脳転移の縮小効果が得られることが明らかとなった。フェーズII臨床試験EGF105084のうちの拡大試験で明らかになったもの。12月13日から16日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウムで米Dana-Farber Cancer InstituteのNU Lin氏によって発表された。

 EGF105084試験は脳転移を持つHER2陽性乳癌患者にラパチニブ750mgを1日2回投与する試験を親試験とし、中枢神経の転移が悪化した患者を対象に拡大試験としてラパチニブを1日あたり1250mgとカペシタビンを1日あたり2000mg/m2と併用投与した。

 拡大試験の対象で評価可能だった49人の患者のうち、50%以上の脳転移の縮小が20%にあたる10人の患者で確認され、20%以上の脳転移の縮小が37%にあたる18人で確認された。減少した腫瘍の容積の中央値は50%以上減少した群で7.1cm3、20%以上縮小した群で4.8cm3となった。

 また拡大試験の対象となった51人について、20%にあたる10人が部分奏効(PR)、39%にあたる20人が安定状態(SD)となった。無増悪生存期間中央値は15.8週だったが、20%以上腫瘍が減少した患者の無増悪期間中央値は20.0週で、それ以外の患者においては8.21週だった。

 最も一般的なグレード1/2の有害事象は手・足症状が37%。下痢が34%、吐気22%、嘔吐が12%、拒食症が12%、爪の異常が12%だった。最も一般的なグレード3の有害事象は手・足症状が8%、吐気8%、嘔吐6%、下痢4%などだった。