一度トラスツズマブの治療を受けたが進行したHER2陽性転移性乳癌患者に再び化学療法とともにトラスツズマブを投与すると有効である可能性が明らかになった。進行した患者にカペシタビンとトラスツズマブを投与する場合とカペシタビンのみを投与する場合を比較するフェーズIII臨床試験の中間解析の結果、明らかとなったもの。成果は、3月13日から16日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウムでドイツUniversity Hospital Frankfurtのvon Minckwitz G氏によって発表された。

 発表されたフェーズIII臨床試験の中間解析結果は、組織学的に確認されたHER2陽性の局所進行または転移性の乳癌患者156人を対象に行ったもの。すべての患者がトラスツズマブを含むレジメンの治療を受けた後、増悪した患者だ。78人には、カペシタビンのみの投与が行われた(X群)。1日あたり2500mg/m2、1日目から14日目に投与することが21日おきに繰り返された。78人にはカペシタビンとトラスツズマブの投与が行われた(XH群)。カペシタビンは1日あたり2500mg/m2、1日目から14日目に投与することが21日おきに繰り返され、トラスツズマブは体重1kgあたり6mgが3週おきに投与された。

 その結果、X群の24.6%の患者が完全奏効(CR)か部分奏効(PR)を得たのに対して、XH群では48.9%がCRかPRを得ることができた。X群では49.1%が安定状態(SD)となり、XH群では35.1%がSDとなった。また、フォローアップ期間中央値が11.8カ月で、無増悪生存期間はX群で5.6カ月だったのに対して、XH群は8.5カ月と延長できた。ただし全生存期間中央値はX群で19.9カ月、XH群で20.3カ月と差はなかった。

 副作用は予想された範囲内で特に長期間の循環器への毒性は認められなかった。