抗ホルモン療法がうまくいかなかった進行乳癌にヒストンデアセチラーゼ阻害剤のvorinostatとタモキシフェンの併用が有効である可能性が明らかになった。フェーズII臨床試験で安全性と有効性が確認された。成果は12月13日から16日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウムで米H.Lee Moffitt Cancer CenterのMensura Lacevic氏によって発表された。

 前臨床試験でヒストンデアセチラーゼ阻害剤とタモキシフェンの併用がホルモン受容体陽性乳癌細胞に対して相乗効果を発揮することが明らかにされている。また、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤にはタモキシフェンの活性を取り戻す作用があるという。

 フェーズII臨床試験は、アロマターゼ阻害剤による治療がうまくいかず上限で3種類までの化学療法を受けたことのあるエストロゲン受容体陽性転移性乳癌患者18人を対象に行われた。4週間のうち3週間で1日1回400mgのvorinostatを投与、タモキシフェンは毎日20mgを投与した(1サイクル)。患者の年齢中央値は59歳で既に術後補助療法として、タモキシフェンの投与を受けている患者が67%の12人を占めていた。

 その結果、評価可能であった17人のうち部分奏効(PR)が24%の4人で認められ、3カ月以上安定状態(SD)となったのが29%にあたる5人で認められ、12カ月以上の安定状態が1人で確認された。

 一方、副作用はグレード3と4の副作用が認められたのは20%未満で、患者は併用療法に耐えることができたが、血小板減少と倦怠感のために18人中9人でvorinostatの量を300mgに減量した。見出された主な副作用は、血小板減少、倦怠感、下痢、食欲不振/体重減少だった。

 試験は現在も登録が行われており、最終的には評価可能人数で43人にする計画だという。